国内自動車セクターの現状と今後
中国自動車市場から国内メーカーの現状を知る
国内自動車セクターは、トヨタ連合、日産・三菱、ホンダの大きく3つの勢力図になっています。また、各派閥とも、中国が世界最大の自動車販売市場であることから約30%の売上比率を有しており、非常に重要な市場です。しかし、現在この市場が大きくブレーキをかけており、今後の決算に影響が出てきそうです
最近の中国での販売台数
中国市場における9月の新車販売台数が10/10日に発表されました。トヨタ、日産、ホンダの全てが前年実績を下回っていました。マイナスとなるのはトヨタとホンダが8カ月連続で、日産が6カ月連続となっており、販売台数の減少トレンドが続いています。この理由は、ガソリン車の締め出しと、EV車による厳しい価格競争です。
ガソリン車の締め出し
中国政府は現在、EVへの移行を強力に推進しています。EVを含む新エネルギー車の購入を促進するために、EV車などの購入時に消費者へ高額な補助金を提供しています。また、ここ最近、ガソリン車を購入する際は、車両の購入価格の10%の税金を消費者が追加で支払うことや、ガソリン車の使用者は環境税を支払うことが義務付けられました。EV車の購入を優遇し、ガソリン車には多くの税金を課すことで消費者は必然的にガソリン車からEV車にシフトしていきました。その結果、世界最大のガソリン車販売市場だった中国から、ガソリン車は締め出され販売台数が大幅に激減しました。
EV車の厳しい価格競争
EV車はそもそも部品や技術の関係から高価格帯での販売が主流でした。しかし、中国政府が企業に対して巨額の補助金で支援する政策を打ち出し、EV車の販売が激増しました。その結果、補助金を使って元の販売価格を引き下げ、EVの低価格化を実現していました。また、近年は、国からの多額な支援によって、効率的な生産方法や特殊部品の内製化の開発に乗り出す企業が増え、EV車や部品を安く製造する方法を確立し始めています。つまり、只でさえ、補助金で販売価格を抑えていたのに、その販売価格自体も低くできる術を確立しているのです。「EVはガソリン車より安い」というスローガンのもと現に、中国メーカーは、200万円ほどで販売しています。これが、最近、国内メーカーが苦戦している大きな理由です。また、なぜ、中国がものを安く作れるかは下記の過去記事に書いています。
国内メーカーの現状
トヨタ連合はハイブリッド、日産・三菱はEV、ホンダはハイブリッドとEVを中国市場で販売しています。EVに関しては、補助金が乏しい国内メーカーは利益率を下げ赤字にしなければ、200万円でEVを販売することは不可能です。そのため、価格競争に勝てず売上が悪化してきます。また、ハイブリッド車は環境面と性能面で優れており、中国でも人気があり、稼ぎ頭でした。しかし、コストが格安EV車より高いこと、近年景気低迷が深刻な中国では安さが重視されることから以前より存在感が低くなり、売上が下降しています。その結果、トヨタ、日産、ホンダは中国工場での人員削減、生産能力の削減、および工場の閉鎖といった撤退を余儀なくされています。生産を減らし供給減、買う人も減少し売上減、この状況が中国での販売台数低迷の理由です。
今後の流れ
今後の流れは大きく2つ考えられます。1つは中国にこだわらずインドやタイといった新な有力市場を開拓し以前の中国と同じ位置付けにしていく方針です。これは、トヨタ連合が現在実施している流れです。もう1つは、EVの開発力を高め中国での低価格競争や付加価値で真っ向勝負していく方針です。日産・三菱がこの流れを実施しており、ホンダがそこに参入している状況です。今後はこの3社が経営統合も含めてより連携を密にしていく可能性も考えられます。
どちらの方針もメリット、デメリットがあるため、どれが正しいとは一概に言えません。ただ、短期的にみるとトヨタ連合の方が利益がでやすく、日産・三菱、ホンダは利益が圧迫される可能性が高いです。そのため、近々の決算ではその点が明確に反映されるでしょう。ただ、各国が2030年以降からガソリンを使用する自動車を大幅に制限することが決まっています。そのため、EVの需要は確実であり、長期的にみると日産やホンダの政策は重要であると思います。ただし、外資企業による買収や、各国が発表している環境規制の撤回や大幅な緩和がなければですが、、、
ではでは