今年の相場をまめ太郎的に予想
新年明けましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いいたします。2025年は皆様にとって素敵な一年になればと願っております。さて、2025年の相場感はどのようになるのでしょうか。結論から述べると、米国の債務問題が早期に決着つけば前半は今の比較的な上昇トレンドを維持できそうです。一方で、長引けば株式市場のボラティリティが悪化し、下降トレンドの開始が予想されます。そのため、株への投資は注意が必要です。一方で、インフレ加速の影響もあり、ゴールドは今後ますます耀きが増しそうです。今回は経済の中心である米国を中心に債務問題とインフレの観点からなぜ、ボラティリティが悪化するのかを個人的に予想し解説させていただきます。
米国政府の債務問題
トランプ氏の就任に関係なく、現在、米国政府は史上最大の借金を抱えています。2023年6月3日、バイデン大統領が債務上限を2025年1月1日まで適用が停止する案を裁決しました。政府は上限を気にせず今まで新たな借金を行った結果、政府の現在の借金額が25年1月で債務上限である31.4兆ドル(約4700兆円)を達すると予想されています。一方で、この多額の借金は、経済や雇用の支援として使われ米国の強い経済を維持している側面もあります。
債務上限の更新の難しさ
トランプ次期大統領は個人の所得税と企業への法人税を大幅に減税すること、金融規制や金利の緩和による個人と企業への融資拡大を狙っています。これを実施するためには今後10年間で追加的に10兆ドル超(約1570兆円)の国債発行を許容できる債務上限の引き上げが必須です。一方で、この10兆ドル超の追加債務上限の引き上げは、コロナ禍における異例の債務上限引き上げ額に匹敵する規模です。そのため、41兆ドル超の借金額を許容する大規模な債務上限の引き上げは難航することが予想されます。債務上限の採決に時間がかかる場合、その期間は経済や雇用への支援が縮小するため失業率など経済指標が悪化する懸念が考えられます。また、債務上限が想定より少なく、トランプ氏の支援規模が縮小する場合、現在のトランプ氏の政策期待で高水準の株価が期待外れとなり下落することは容易に予想できます。
米国保護主義による他国経済の悪化
トランプ氏は関税を用いた保護貿易の政策実施を公表しています。現在、広範囲にわたる一律関税を法的に正当化するため、国家経済緊急事態宣言を検討していることが明らかになっています。他国の安価な製品に関税かけ価格を吊り上げることで米国製品を価格競争から守ることができます。これにより、日本の自動車産業だけではなく、北米の売上げ比率の高い多方面の企業に大きな打撃を与えます。また、行き場を失った中国の安すぎる材料は米国に流れにくくなることで、日本や日本の重要輸出先であるインドやタイなどに多く流入することになります。その結果、厳しい価格競争の圧力により利益率が大幅に下がり決算の下降トレンドが続くと予想されます。その結果、日本の株式市場も嫌気をさし売り圧力が強まることも予想されます。
インフレの悪化
トランプ氏の関税政策の副作用として、米国が安い原材料や製品を入手できないことが挙げられます。その結果、米国の製造業では製造コストが上昇し、製品の価格も上昇します。また、債務問題で経済政策が想定より下回り支持率が低下した際には、求心力を高めるカンフル剤として関税政策をより促進することも考えられます。また、経済政策の規模は予想しにくいですが、トランプ氏の政策の過程で市場には更なる大量の紙幣が流通することになり、インフレが今後加速することは既定路線と考えられます。
何もできないFRBと銀行の財務悪化
インフレが継続している状況ではFRBは利下げがしにくくなります。また、景気も回復していないので利上げをすることも難しく、不景気気味なのに金利の高止まりという機能不全を起こします。この高止まりが続くと、金融機関が持っている資産、特に債券の価値が著しく低下し財務状況が悪化します。現に、米国の銀行は3290億ドルの過去最大の含み損を直面しています。金融機関は有事の際、現金が必要ですが債券の現金化は期待出来ない状況です。この状況では銀行は現金を確保したい思惑から融資を貸し渋り又は金利をあげる対応を行います。※トランプ氏はバーゼル規制を緩和させ銀行の融資を促進させるため財務状況が悪化されたまま高金利で融資される可能性が高いです。
失業率の増加
インフレによる原価率を悪化と売上げの減少により収益が減少していくと、インフレに見合った賃金を支払うことが大きな負担です。そのため、融資を受ける必要がありますが高金利のコスト増加により企業の融資受け入れが難しくなります。その結果、企業は収益性を維持するために大幅な人員削減を行い失業者が増加していきます。失業者が増えれば購買力も減少するため企業の倒産も増えていきます。一方で、政府が多額の借金をして、法人税や融資の促進を行えれば失業や倒産などは起こりにくくなります。
米国個人の債務問題
現在の強い米国の消費は給与が物価の上昇に対して余裕がある層と中間層、余裕がない層によって支えられています。余裕がない層はクレジットカードを使った自転車操業や銀行からの融資でなんとか消費しています。しかし、インフレや高金利が終息しない場合は、余裕のない層の貯金や担保を蝕んでいます。現在、米国のクレジットカードローンの不履行は2010年以来最高水準に達しています。更なるインフレや失業の増加が進むと、中間層が余裕のない層へ遷移します。同様に、余裕のない層はインフレに耐えられなくなりローンの不履行者がますます増えることが予想されます。その結果、米国経済のリセッションが開始され株価の大幅下落が起こると考えられます。リセッションを起こさないためにも、政府が多額の借金で個人への税負担を軽減させる必要があります、、
現在の相場と今後の相場
上記のインフレや債務問題があるにも関わらず雇用統計がそこまで悪くないのは、米国政府が大量の国債発行で経済や雇用を何と守っているからです。本来は貸し渋りをしたい銀行や、倒産する企業を何とか支えているからです。つまり、基本的には米国政府が大量の借金をし続け雇用などを守り続ければ、株式の大幅悪化は防げるでしょう。ただし、それは最悪の先延ばしでしかなくどこかで歪みが生じると考えられます。まずは、直近で大きな歪みとなるのは債務上限問題だと思われます。トランプ氏が債務上限をスピーディーに大規模にできるれば先延ばしは可能でしょう。また、インフレ圧力が更に強まれば、コストが増し、更新された債務上限もすぐに越えてしまいます。これが次の歪みのポイントになりそうです。
上記の観点から株価はいつ暴落するかわからない状況です。また、債務問題やインフレの影響は株式のボラティリティを悪化させます。自身のリスク許容度を再確認し、リスクの高い株式へのヘッジを考えることが今年重要になりそうです。また、債務問題は安全資産である米国債の価値を下げ、インフレによりコモディティの価値をあげていきます。以上の観点からゴールドの価値は更に上昇すると個人的に考えております。