金銀の急騰と株価の先行き①
2026年は静かなる暴落の始まり
最近は日経平均やS&P500といった指数が市場最高値を更新し株価はうなぎ登り。ですが、金銀といった貴金属の急騰、日本国債の長期利回りの高騰、ドルの価値の希薄化など多くの良くないシグナルも出ています。何が起こっているのでしょうか。本ブログでは株・金銀・貨幣の現状と今後どうなるのか解説します。また、今後、資産をか守るために何をすべきも解説します。まずは、なぜ歴史的に株価が高騰しているかの説明です。
マネーサプライの歴史的増加
2020年代は、世界中で「金融緩和」・「財政出動」・「超低金利」が同時に進みました。そのため、マネーサプライが歴史的に増加しました。その結果、行き場のない大量の貨幣は株に流れ株価が大きく急騰中です。この株価の上昇は実は「企業の実体成長」ではなく、「行き場の余ったお金で成長が期待できる企業にベットしている」比重が高いのです。
つまり、株価 = 現在価値(実体成長)+将来価値(期待)の将来価値の部分がかなり肥大して株価が算出されていることになります。
マネーサプライ危機の到来?
実体成長は物理的制約、つまり、人、設備、市場規模の急増には限界があるため、成長速度は限定的です。一方で将来価値は、政策判断一つで指数関数的に増えた貨幣に比例して急騰します。このスピードの差がポイントです。現状はこの将来価値で株価がどんどん急騰し最高値を更新し続けています。ですが、余剰貨幣の受け皿である将来価値で吊り上がった株価は実体成長と合わなくなり、株価は業績が悪化する前に下がり始めます。最終的には、膨らみすぎた評価が現実に引き戻されます。この時、ほぼ全ての株などの資産が道連れとなるリーマンショック級の金融危機が発生し、雇用の悪化、倒産という形にたどり着きます。これを本記事ではマネーサプライ危機と呼びます。
増加しすぎたマネーサプライへの対応
実はこの対応には「インフレによる調整」か「金融危機による調整」しか選択肢がありません。
インフレによる調整
これは経済を壊さず、歪みをゆっくりと引き伸ばす延命処置となります。物価を上昇させ、名目成長(インフレ+実質成長)によって、過剰に供給された貨幣の購買力を徐々に希薄化させることができます。その結果、購買力が低下するため、真に需要のあるモノや、既に実体を持つ実物資産が相対的に優先されます。一方で、将来価値への期待だけで評価されていた企業は淘汰されやすくなります。つまり、多くの企業が現在価値をインフレで高めることができるため、下落幅を調整程度のダメージに抑えることができます。そして、リーマンショック級の金融危機を先延ばしすることが出来ます。また、政府債務の実質的な圧縮も可能となります。 一方で、生活コストの上昇や企業のコスト増が社会全体に広がるため実体成長も妨げる諸刃の剣となります。
金融危機による調整
マネーサプライ危機を先延ばしせず、金融危機でリセットする荒治療です。リーマンショック級の金融危機を防がず、資産価格の急落や信用収縮を引き起こします。金融機関の破綻と救済を実施し、過剰なお金とレバレッジを一気に消し去る方法です。どうなるかは下記の過去記事をご覧ください。
政府はどっちを選ぶか?
金融危機での調整は、分かりやすい解決方法ですが、失業の急増・企業倒産の連鎖によって政治的不安と混乱などの非常に大きな損害を短期間に引き起こします。国家の信用と政権の存続を考えた場合、政府は可能な限り金融危機を回避し、インフレによって時間を稼ぐ選択を取る傾向が強いです。そのため、表向きはインフレ対策を掲げながらも、実際には一定の物価上昇を黙認する形になりやすいの現状てす。ただ、インフレは「解決」ではなく先送りされた調整に過ぎません。
現状の株価の高騰と金銀の高騰のセットは当に、「インフレによる調整の初動」といえます。まだ、実体成長と将来価値のスピード差の問題が、ギリギリ顕著化していないタイミング。インフレにシフト中なので金銀も上昇中。ただ、金銀の急騰の一番の理由はインフレではありませんがそれはまた続きのの記事で、、
もう既に静かなる暴落は始まっています。
続きの記事では、マネーサプライ危機への対策を各政府がインフレという形で調整を進めると仮定した場合、今後何をすべきかを解説していきます。例えば、金銀が今上がっている本当の理由とそのまま投資すべきか?株は投資していいのか?などを解説していきます。
ではでは、、、
トランプ氏の中国攻勢と半導体リスク
米国株の歪みと今後の展開を考える
25年10月10日、中国が発令したレアアース関連の規制に対して、トランプ大統領が「習近平と会う理由がない、100%の追加関税を検討」と発言。その結果、S&P500等の米国株価やビットコイン等の仮想通貨は大幅下落。
日経平均株価(先物)も最大で-3402.41円、一時7%超の暴落が発生しました。この騒ぎを受けてなのか、トランプ大統領は「 中国のことは心配しなくていい、すべてうまくいく!アメリカは中国を助けたいのであって、傷つけたいわけじゃない」と大幅な軟化姿勢を示しました。これを受け一部の方はTACOったし株価は戻ると安心してますが本当にそうでしょうか。
中国の先手
今までの相互関税はトランプ大統領が先手として強烈なジャブを仕掛け米国に有利な条件を得る手法でした。一方で今回は中国側からのレアアース関連の規制といった強烈なジャブです。つまり、決定権は米国でなく中国なのです。ただ、内容が米国に対して脅威にならならければ強硬姿勢を貫けばいいのですがそうはいきません。
中国レアアース関連の規制
この規制は4月に中国が実施した輸出規制強化を拡張・具体化するものと見られています。内容を下記に簡単に示します。
①レアアース関連の 加工・製造技術(例磁石製造技術、リサイクル設備等)に対する輸出管理を強化
②海外の防衛用途、半導体用途向けの許可審査を厳格化
③中国企業が、許可なしに海外でレアアース技術に関わる協力禁止
④中国製の部品・機械を用いる海外製造業者に対し、規制対象物の輸出時に許可が必要
※全般的な輸出禁止ではなく、許可制度を通じて管理を強める形
米国の心臓をつく内容
米国や半導体分野にとって脅威なのは、発動のしやすさなども含め特に④、次に②となります。順に説明いたします。NVIDIAなどで設計した半導体チップは委託先のTSMC等の製造工程で製品化されます。この製造過程の表面平滑化工程でレアアースのセリウムを使用したCeO₂研磨材が必ず使われます。また、各工程に必要なエッチング装置などにはレアアースのネオジウムを使用したNd磁石がモーター、ポンプのコア部品となります。共に品質や精度を担保するには代替が難しく、セリウムは中国依存度ほぼ100%、ネオジウ厶も中国シェア80%超と中国の影響力が大きい状況です。
④規制により、中国が「中国由来の装置や部品の輸出」を許可制にすることで中国側の意図で簡単に輸出を止めることが出来き、中国自身がサプライチェーンの全貌を把握することが出来ます。また、②の規制により、「対象用途向けの許可審査を厳格化」し、そもそもレアアース材料を輸入出来なくすることもできます。つまり、④で輸出することが制限されれば、半導体チップを必要数を供給できずAIセクターなどの成長エンジンが減衰します。また、②が発動されれば、新規既存工程で専用材料が使えず、半導体製造ラインそのものが止まったり納期が大幅に遅れるリスクが生じAIセクターが壊滅的影響を受けることになります。
今回の騒動を整理
時系列に沿って①〜④の流れで整理
①対米交渉・米中首脳会談などで譲歩を引き出すための圧力や交渉材料および安全保障での優位性を保つ目的として中国が先手でレアアース関連の規制の強烈なジャブ。
②トランプ大統領、追加関税100%でカウンターを狙う。
③市場が、レアアースの規制が株価の成長エンジンであるAI関連銘柄に大きな影響をもたらすことを理解。トランプ大統領の強気なカウンターでは米中関係を冷ややかにし、リスクをより顕著にさせると判断し、リスクオフの売りで株価暴落。
④トランプ大統領、市場動向が想像より厳しく、金融的な観点から短期的悪影響を防ぐためにもカウンターの手を引っ込める。
今後の展開
今回の騒動を整理して考えると本当にTACOしただけで安心でしょうか。不安要素は大きく2つあります。
①AIセクターの明確な弱点露出
今まで、中国への依存度が高いと分かっていながら楽観的かつ過度な期待で株価が上がっていました。しかし、今回、中国が「チップを作る過程」と「チップを使う先」の両方に悪影響を与える内容を具体化したことでリスクが鮮明になったこと。そして、それに対して米国が即座に対応できるカウンター対策がないことが浮き彫りになりました。本当に今の勢いのまま成長が加速できるのか疑問が生じ、それが売りを引き起こすと考えられます。
②トランプ大統領の最終判断
現在、中国に対して軟化姿勢を示していますが、これは「米国が報復しないんだから、分かるよね?これ以上はだめだぞ?なんなら少しでも緩和するよね?」と暗に言っています。これに対し、この件で交渉有利な中国側が頑なに米国に色々な不利な要求し続けたらどうなるでしょうか?トランプ大統領はそれを承諾しても株価と支持率は下がります。屈せず、真っ向勝負で追加関税などを報復をとれば株価は大きく下がりますが、支持率は下がりにくいかもしれません。どちらを選ぶかは分かりませんが難しい外交なのは事実です。
個人的には、AIや半導体分野のリスクで株価のボラが不安定かつジリ貧。そして、関係が上手くいかず、更に株価がどこかのタイミングで大きく下るのではないかと考えています。ひとまず言えることはトランプ大統領が中国に軟化姿勢を示したことで直ぐに安心とはならないのではと思っております。
ではでは
日銀の利上げによる日本と米国への影響
円キャリートレードの影響を考える
日銀は23日から利上げなどを決める金融政策決定会合を開催します。開催前から政策委員の過半数が追加利上げを支持することや、もう既に1月の利上げが決定したとのリーク報道がされています。これらの報道から、1月の追加利上げは確定路線です。追加利上げの幅は0.25%、つまり政策金利が0.5%となることが予想されています。これにより円高株安に遷移することが考えられます。なぜ、円高株安トレンドになるのか円キャリートレードの観点からご説明します。背景として今までの円キャリートレードの影響、今後の利上げによる影響と流れを解説および考察いたします。
円キャリートレードとは
日本と海外で大きく金利差が開いた場合、金利が非常に低い日本の円を借りて、それを他国通貨に替えて、より高い金利が得られる他国の資産(米国の株式や債券など)に投資する戦略を円キャリートレードといいます。多く円が売られ、ドルが買われる取引のため、円安ドル高や株高を促進していきます。なぜ、促進されるのかを説明いたします。
円安ドル高の促進
多くの投資家は日本の極めて低い金利のおかげで低コストで多くの資金を得ることが出来ます。それを元手にドル建ての高利回りの株や債券を運用し利益を得ています。今まで日銀の利上げ姿勢が消極的であったことから、この手法は低リスク高リターンの投資方法として確立され、円キャリートレードの需要が非常に高くなりました。その結果、この取引を通じで多くの円が売られ、ドルが買われることで円安ドル高が進行していました。円安ドル高が進んだことで返済時には為替差益で更なる利益を得ることができるため、さらに需要がのびました。その結果、ますます円安ドル高を加速させました。
株高の促進
円キャリートレードの需要が高まり、ドル高円安トレンドを強く維持することで、恩恵を大きく受ける日本企業がいくつかあります。それは、輸出関連企業と海外売上比率が高い企業です。前者は円安が進むことで価格競争で恩恵を受け売上増加で利益が向上します。後者は海外での売上分の為替差益で余剰利益が多く発生します。両者ともに円安ドル高で高決算が期待されるため、投資家の多くは円キャリー取引で調達した多額の資金の一部を日本の株式市場にも投入してきました。また、そもそもの円キャリートレードの目的は他国の資産で運用することです。すなわち、極めて低い金利の円が株式市場への資金源となり、マネーサプライを押し上げて米国株などの株価を高水準で下支えしています。そして、株価が上昇しやすくなる状況が呼び水となりさらに買い圧力がかかり株価を押し上げています。
日銀の利上げによる巻き戻し
日銀が利上げを実施すると、円キャリートレードのポジションを解消する巻き戻しが起こり始めます。そもそも低リスクで安定的な収益を狙う戦略であるため、金利差縮小による為替変動リスクが許容出来なくなる投資家が増え一斉にポジションを解消する巻き戻しが発生します。ここでいう巻き戻しは、株式や債券といった資産を売って現金化し、円に戻し返済する流れです。そして、この動きに気づいた他の投資家も、さらなる損失を避けるためにポジションを急いで解消します。この連鎖反応がさらなる円高ドル安を引き起こします。
為替と株式市場への影響
今まで円を資金源として多くの資産を購入していた投資家が、一斉に市場の株や債券などを売る巻き戻しを実施します。その結果、日本株や米国株などは大幅下落が発生する可能性があります。また、この流れで大量の円買いとドル売りが起こるため円高ドル安が進みます。円高ドル高は日本の輸出関連銘柄や海外売上比率が高い銘柄にとって利益を圧迫する悪影響をもたらします。このため、今まで、投資していた輸出関連銘柄や海外売上げ比率の高い銘柄のポジション解消が行われ、より株価は下落基調に陥ります。
今後の流れ
今回は24年8月の大暴落の反省を生かし、事前に利上げ情報をリークし市場への会話を行っていると感じています。そのため、日銀が利上げを発表しても以前ほど大きな暴落は起こらないと予想されます。ただし、利上げ幅が予想の0.25%より上振れしたり、利上げ回数を増やす発表や、今後の利上げに対して積極的である姿勢といった予想外の植田総裁がコメントすれば円キャリートレードの巻き戻しがより起こり相場は荒れるでしょう。また、今後、日銀が積極的に利上げをすれば、低コストの資金源が減少するため米国株式市場などへの熱が次第に収束していくことも予想されます。一方で、0.25%の利上げを決めて政策金利0.5%になってもこれ以上は利上げしないような消極的な方針を打ち出した場合は、少し円高に振れるが、為替の不確実性のリスクが少ないことから円買いの圧力が弱まり、円安株高の現状を維持する可能性もあります。いずれにせよ、日本の輸出関連銘柄や海外売上比率が高い銘柄は今後、ボラティリティが高くなることが予想されますので注意が必要です。この不安定な時期さ自身のポートフォリオが特定の内容に偏っていないか見直すことも重要だと感じています、、
補足 : 日銀の利上げのメリット
円高株安となる利上げにはメリットがないように思われますがインフレと不景気への対応に対して利点があります。直近では、インフレ懸念から日銀が利上げを急いでいます。現在のインフレはエネルギーや原材料の価格が高いことに起因しており、これは円安が大きな影響を与えています。現在は、原油価格はそこまで高くないものの、輸入の際の為替が現在の高騰を引き起こしています。つまり、利上げによって円高にシフトさせることで原油などの輸入コストを押し下げエネルギーや原材料の価格を引き下げることができます。その結果、インフレを抑制できることから日銀はインフレがより表面化する前に利上げを実施したいと考えいます。また、不景気の対応に関する利上げのメリットもありますが、今回は割愛します。下記の過去記事で解説していますのでぜひご覧下さい。
ではでは、、
2025年、株式のボラティリティ悪化に注意~債務問題とインフレ
今年の相場をまめ太郎的に予想
新年明けましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いいたします。2025年は皆様にとって素敵な一年になればと願っております。さて、2025年の相場感はどのようになるのでしょうか。結論から述べると、米国の債務問題が早期に決着つけば前半は今の比較的な上昇トレンドを維持できそうです。一方で、長引けば株式市場のボラティリティが悪化し、下降トレンドの開始が予想されます。そのため、株への投資は注意が必要です。一方で、インフレ加速の影響もあり、ゴールドは今後ますます耀きが増しそうです。今回は経済の中心である米国を中心に債務問題とインフレの観点からなぜ、ボラティリティが悪化するのかを個人的に予想し解説させていただきます。
米国政府の債務問題
トランプ氏の就任に関係なく、現在、米国政府は史上最大の借金を抱えています。2023年6月3日、バイデン大統領が債務上限を2025年1月1日まで適用が停止する案を裁決しました。政府は上限を気にせず今まで新たな借金を行った結果、政府の現在の借金額が25年1月で債務上限である31.4兆ドル(約4700兆円)を達すると予想されています。一方で、この多額の借金は、経済や雇用の支援として使われ米国の強い経済を維持している側面もあります。
債務上限の更新の難しさ
トランプ次期大統領は個人の所得税と企業への法人税を大幅に減税すること、金融規制や金利の緩和による個人と企業への融資拡大を狙っています。これを実施するためには今後10年間で追加的に10兆ドル超(約1570兆円)の国債発行を許容できる債務上限の引き上げが必須です。一方で、この10兆ドル超の追加債務上限の引き上げは、コロナ禍における異例の債務上限引き上げ額に匹敵する規模です。そのため、41兆ドル超の借金額を許容する大規模な債務上限の引き上げは難航することが予想されます。債務上限の採決に時間がかかる場合、その期間は経済や雇用への支援が縮小するため失業率など経済指標が悪化する懸念が考えられます。また、債務上限が想定より少なく、トランプ氏の支援規模が縮小する場合、現在のトランプ氏の政策期待で高水準の株価が期待外れとなり下落することは容易に予想できます。
米国保護主義による他国経済の悪化
トランプ氏は関税を用いた保護貿易の政策実施を公表しています。現在、広範囲にわたる一律関税を法的に正当化するため、国家経済緊急事態宣言を検討していることが明らかになっています。他国の安価な製品に関税かけ価格を吊り上げることで米国製品を価格競争から守ることができます。これにより、日本の自動車産業だけではなく、北米の売上げ比率の高い多方面の企業に大きな打撃を与えます。また、行き場を失った中国の安すぎる材料は米国に流れにくくなることで、日本や日本の重要輸出先であるインドやタイなどに多く流入することになります。その結果、厳しい価格競争の圧力により利益率が大幅に下がり決算の下降トレンドが続くと予想されます。その結果、日本の株式市場も嫌気をさし売り圧力が強まることも予想されます。
インフレの悪化
トランプ氏の関税政策の副作用として、米国が安い原材料や製品を入手できないことが挙げられます。その結果、米国の製造業では製造コストが上昇し、製品の価格も上昇します。また、債務問題で経済政策が想定より下回り支持率が低下した際には、求心力を高めるカンフル剤として関税政策をより促進することも考えられます。また、経済政策の規模は予想しにくいですが、トランプ氏の政策の過程で市場には更なる大量の紙幣が流通することになり、インフレが今後加速することは既定路線と考えられます。
何もできないFRBと銀行の財務悪化
インフレが継続している状況ではFRBは利下げがしにくくなります。また、景気も回復していないので利上げをすることも難しく、不景気気味なのに金利の高止まりという機能不全を起こします。この高止まりが続くと、金融機関が持っている資産、特に債券の価値が著しく低下し財務状況が悪化します。現に、米国の銀行は3290億ドルの過去最大の含み損を直面しています。金融機関は有事の際、現金が必要ですが債券の現金化は期待出来ない状況です。この状況では銀行は現金を確保したい思惑から融資を貸し渋り又は金利をあげる対応を行います。※トランプ氏はバーゼル規制を緩和させ銀行の融資を促進させるため財務状況が悪化されたまま高金利で融資される可能性が高いです。
失業率の増加
インフレによる原価率を悪化と売上げの減少により収益が減少していくと、インフレに見合った賃金を支払うことが大きな負担です。そのため、融資を受ける必要がありますが高金利のコスト増加により企業の融資受け入れが難しくなります。その結果、企業は収益性を維持するために大幅な人員削減を行い失業者が増加していきます。失業者が増えれば購買力も減少するため企業の倒産も増えていきます。一方で、政府が多額の借金をして、法人税や融資の促進を行えれば失業や倒産などは起こりにくくなります。
米国個人の債務問題
現在の強い米国の消費は給与が物価の上昇に対して余裕がある層と中間層、余裕がない層によって支えられています。余裕がない層はクレジットカードを使った自転車操業や銀行からの融資でなんとか消費しています。しかし、インフレや高金利が終息しない場合は、余裕のない層の貯金や担保を蝕んでいます。現在、米国のクレジットカードローンの不履行は2010年以来最高水準に達しています。更なるインフレや失業の増加が進むと、中間層が余裕のない層へ遷移します。同様に、余裕のない層はインフレに耐えられなくなりローンの不履行者がますます増えることが予想されます。その結果、米国経済のリセッションが開始され株価の大幅下落が起こると考えられます。リセッションを起こさないためにも、政府が多額の借金で個人への税負担を軽減させる必要があります、、
現在の相場と今後の相場
上記のインフレや債務問題があるにも関わらず雇用統計がそこまで悪くないのは、米国政府が大量の国債発行で経済や雇用を何と守っているからです。本来は貸し渋りをしたい銀行や、倒産する企業を何とか支えているからです。つまり、基本的には米国政府が大量の借金をし続け雇用などを守り続ければ、株式の大幅悪化は防げるでしょう。ただし、それは最悪の先延ばしでしかなくどこかで歪みが生じると考えられます。まずは、直近で大きな歪みとなるのは債務上限問題だと思われます。トランプ氏が債務上限をスピーディーに大規模にできるれば先延ばしは可能でしょう。また、インフレ圧力が更に強まれば、コストが増し、更新された債務上限もすぐに越えてしまいます。これが次の歪みのポイントになりそうです。
上記の観点から株価はいつ暴落するかわからない状況です。また、債務問題やインフレの影響は株式のボラティリティを悪化させます。自身のリスク許容度を再確認し、リスクの高い株式へのヘッジを考えることが今年重要になりそうです。また、債務問題は安全資産である米国債の価値を下げ、インフレによりコモディティの価値をあげていきます。以上の観点からゴールドの価値は更に上昇すると個人的に考えております。
米債務上限の拡大と株価の大幅下落
米国の債務上限から今後のトレンドを読み解く
24年の12月27日、イエレン米財務長官は、連邦政府が債務上限の突破を回避するため、財務省が来年1月半ばごろから特別会計措置を取り始める公算が高いことを明らかにしました。このニュースから分かることは、米国の信用格下げの可能性とそれによる大幅な株価の下落と金価格の上昇が考えられます。今回のニュースを詳しく解説し、今後の流れも考察していきます。
特別会計措置とは
連邦政府が法律で定められた借金の債務上限に達し、これ以上借金が出来なくなった場合に、財務省が政府年金基金への投資の一時停止や州や地方自治体向けの債券発行を停止することで一時的に資金繰りを維持する救済措置を特別会計措置といいます。これにより、一定期間は、政府が新たな借り入れをしなくても既存の債務を返済し、連邦政府の支出を維持することが可能になります。
25年1月に特別会計措置開始の意味
米国の債務上限は何度も引き上げられてきましたが、現在の米国政府の債務上限額は過去最大の31.4兆ドル(約4710兆円)となっています。しかし、政府の現在の借金額が25年1月で債務上限である31.4兆ドルを達すると見込まれています。そのため、財務省は債務上限を超えないように1月半ばから特別会計措置を開始し、政府の資金繰りを維持しようとしています。※2023年6月3日、債務上限を一時的に停止する法案が成立した結果、債務上限は2025年1月1日まで適用が停止され、政府は上限を気にせず今まで新たな借金を行っていました。
米国のデフォルトの可能性
会計特別措置で作った猶予期間で債務上限を更に上げるか、債務上限の基準を引き続き一時停止のままにするかを米国議会の上院と下院で議論する必要があります。猶予期間内に案がまとまらなければ、これ以上借金が出来ないため返済能力を失います。その結果、米国はデフォルトに陥ります。ちなみに、2011年と2013年に共和党と民主党の対立とねじれによって猶予期間の本当にギリギリまで成立せずデフォルトの危機に陥りました(本筋から外れるので詳細は割愛します)。その結果、格付け会社S&Pは、史上初の米国の信用格付けをAAAからAA+に引き下げた実績があります。
信用格下げによる影響
史上初の米国の信用格下げは株式市場を急落させました。格下げ発表当日にNYダウ約5.5%、S&P 500は約6.6%、ナスダック総合指数は約6.9%の大幅下落となりました。これは、債務問題がなかなか解決されないことや、格下げによってさらに景気後退リスク強まったことが原因でした。その結果、当時は最強の安全資産と考えられてた米国債に資金が流れ、株式市場からは資金が流出し大幅下落しました。
現在の信用格下げのリスク
現状の格付け機関は債務上限の案が中々まとまらない場合や、債務増加で財政の悪化に歯止めがかからない場合、現在の信用格付けAAAからの格下げもあり得ることを警告しています。現在、大統領、上院、下院ともに共和党のトリプルレッドの状態です。そのため、今回の債務上限に対する案は早期に決定されやすく、当時のような長期化によるリスクは低いと考えられます。ただし、下院の議席数は共和党220、民主党215と僅差であるため、共和党内で造反があれば危険性は高まります。ただ最近、米国のつなぎ予算の採決に下院の共和党内の造反によって否決された経緯もあるため安心は出来ません。
インフレによる財政悪化
24年12月のFOMCではパウエル議長がインフレがまだ残っているため、25年の利下げ回数を大幅に減らすと発表したことは真新しいです。インフレ継続中の現状で更に債務上限を引き上げると「インフレの加速」「財務状況の悪化」を引き起こす可能性があります。この2つのデメリットは債務増加に拍車をかけ、財政悪化の歯止めが効かなくなるため信用低下を促します。
インフレの加速
債務上限の引き上げと比例して政府の支出が増加するため、市場への資金流入がインフレを加速させる可能性があります。現に、トランプ次期大統領は米国経済の発展のため、大規模な経済や雇用対策で市場に多額の資金を提供することを発表しています。さらに、トランプ次期大統領は関税政策を取り、他国の安価な製品を制限し、米国製品を守る保護貿易を行います。それにより、安価な製品を購入しにくくなりインフレ圧力を加速させます。また、インフレが加速すれば多額の支援策が必要となり更に多くの借金が必要になります。こられの結果、雪だるま式に借金が増え財政赤字は大幅に拡大していきます。
財務状況の悪化
インフレが加速すれば、FRBは政策金利を下げることが難しくなり、政策金利が高止まりすることになります。その結果、政府はより高い利息の支払いが必要になり更なる支出が増えます。また、政府だけではなくFRBを含む多くの銀行が大量に保有している低金利時の国債は金利高止まりによって価値が低い状態を維持します。その結果、負債が大幅に増加し、財務状況を悪化させます。この保有債券の価値低下は最終的には金融危機に結び付くため信用問題に直結します。
今後の流れ
債務上限の案自体はトリプルレッドのため、採決の長期化による格下げは低いと考えられます。一方で、債務増加で財政の悪化に歯止めがかからない場合のリスクは十分にあるため、米国の信用格下げの可能性はあり得ます。その場合、止まらないインフレと信用不安から株価は大幅に下落することが容易に想像できます。また、前回の信用格下げ時は、当時の最強の安全資産である米国債に資金が流れ、債券価格は上昇しましたが今回は異なる動きをすると考えられます。
ゴールド価格の上昇
現在、米国債券の価格は下降トレンド(金利上昇)を継続中です。これは、現在の米国の肥大しすぎた財政赤字や米国の信用低下が原因です。そのため、現在の米国債の安全資産としての魅力は前回より相対的に低いと考えられます。そして、前回の米国債と同じ最強の安全資産は現在ゴールドと考えられます。今年は何度も史上最高値を更新しているのが証拠の1つです。なぜゴールドの詳細は下記記事をご覧ください。
現在、米国の財政赤字の増大は確定路線です。そのため、今後の1つの流れとして、インフレの加速とそれに伴う信用低下が考えられます。インフレにも強く、安全資産としての側面が強いゴールドは今後も価格が上昇していく可能性が大きいと考えられます。また、信用格下げやそれ以外の要因でも株価の下落も十分に考えられるため、ゴールドへのリバランスの検討が重要になりそうです。
ではでは、、
ホンダ・日産の経営統合の光と影
経営統合を長期及び短期的視点で考える
12/18、ホンダと日産の経営統合の協議が実施されていることが分かりました。この統合で、販売台数は800万台を超える、世界3位を狙える世界有数の自動車メーカーが誕生します。今回は、なぜ経営統合をする必要があるのか、どのような影響があるのかをホンダ側の目線で解説していきます。
EV自動車販売の低迷
中国は世界最大のEV市場であり、EVの世界シェアが約50%以上を占めるため、ホンダと日産にとっては非常に重要な市場となります。しかし、その中国市場は価格競争によって苦戦しています。中国政府の継続的な補助金等の政策により中国企業は200万円でEVを販売することが可能になりました。現状のホンダ、日産の技術とサプライチェーンではこの価格競争に勝てず売上が悪化しています。さらに、近年景気低迷が深刻な中国では安さが重視されることも相まって、日産、ホンダは人員削減、生産能力の削減、および工場の閉鎖といった撤退を余儀なくされています。
ホンダのEV自動車への方向性
ホンダは2030年までに約10兆円をEV関連に投資することを発表しています。EV市場で戦うには中国市場は避けて通れません。つまり、「低コストEV の展開力」「高い値段でも納得できる高付加価値」の2つの軸で戦う必要があります。この2点を底上げするには日産との統合が合理的と判断し、10兆円の投資の一部として動いていると考えられます。
統合のメリット
低コストEVモデルと高付加価値モデルが今後のEV市場ではポイントになります。特に現状の中国市場で戦うためには低コスト化が必要不可欠です。今回の統合メリットの1つとして日産の製造を含めたEV技術を組み合わせスピード感のある低コストモデルを実現可能になる点があげられます。そして、低モデル品でブランド力や販売網を確保している間に、本命の高付加価値モデルの開発にじっくりと腰をすえることができる点がホンダ側の理想だと思います。まずは、なぜスピード感のある低コスト品が作れる可能性があるかを説明します。
プラットホームの共有化
ホンダは基本構造や設計のベースであるEV用のプラットホームを完全自前で保持していません。従来の内燃機関車とは異なるため、バッテリーやモーターを最適配置したEV専用プラットフォームが必要不可欠であり、ホンダは完全自前のものを設計する必要がありました。一方で、日産は自前のプラットホームを既に持っており日産のEV車での実績もあります。今回の統合で同じプラットフォームを複数の車種で共有することで、設計や生産のコストを大幅に削減することができます。
既存工場の相互利用
両社が現在保有する工場を共有し、車両モデルや地域ごとに生産を分担し、効率化することが考えられます。特に、ホンダはEVの製造に関してはまだ発展途上のため、EV用の工場やラインの最適化がまだ必要な状況でした。そこで、現状のEV自動車を製造している日産の工場にホンダのEVの製造を移管し分業化することによりホンダはEV製造ラインの構築費用を大幅に削減できます。さらに、日産のEVの既存工場の稼働率が改善するため、費用対効果も向上します。地域需要に応じて、近隣のお互いの既存工場で生産も行うことで、新規工場建設にかかる数百億円のコストも削減できます。
上記の取り組みにより、開発コストや工場の建設コストなどが大幅に削減できます。また、互いのサプライチェーンをフル活用することで中国企業にも負けない低価格でも利益がでるシンプル仕様のエントリーモデルを作ることが可能になります。加えて、コストを削減で浮いた資金で全個体電池、充電技術、高効率モーターなどの研究開発費用に当てることができます。両者ともに上記の各分野の研究に力を入れているため、協力し合うことで今よりも短期間で実用化できるかもしれません。これらの取り組みにより、他にはない高付加価値モデルを作りEV業界のゲームチェンジャーになるポテンシャルが高まります。
ホンダの株価の大幅安の理由
ホンダは今回の経営統合が発表された後、年初以来の大幅安値を更新しました。これは日産の業績の悪さに起因しています。日産の24年9月までの営業利益が前年同期比90.2%減329億円となり、営業利益率も、5.6%から0.5%に急落しました。当期純利益は93.5%減の192億円、通期では数千億円規模の最終赤字になるとの予想も出ている状況です。業績悪化の最大の要因が、主要市場と位置付ける北米と中国での苦戦です。特に北米での販売台数を維持するための販売奨励金への依存が高まり、北米事業の営業損益は2414億円の黒字から41億円の赤字に転落しています。この赤字が続けば資金繰りが厳しくなり、倒産も視野に入る状況です。イギリスのFT紙では日産の猶予は12~14か月と言われています。ホンダ自身も販売台数に伸び悩み当初より下方修正し苦戦しているのにも関わらず、赤字で財務状況も厳しい日産を受け入れるとなると株主からの評価は冷ややかになるのは明白です。
短期的な視点
短期的視点で考えると経営状況が好調ではないホンダが赤字かつ財務が不安定な日産を迎え入れることはホンダの利益を大きく押し下げる要因です。また、冒頭で述べたEV自動車におけるメリットは直ぐに成果はでにくく、どんなに早くても1年はかかると考えられます。また、台湾の鴻海が日産に敵対的買収を仕掛ける可能性が高いです。今、中に浮いている仏ルノーが保有する約36%の日産株を相場より高値でホンダが購入せざるおえないことが容易に考えられます。その結果、ホンダの利益はさらに押し下げられます。そのため、今後の決算発表も大幅な下方修正の可能性が高くしばらくはホンダの株価の下降トレンドは続くでしょう。
総評
今回のホンダと日産の買収は今後のEV自動車の躍進にむけて必要不可欠な投資であると考えます。日産の悪化した財務状況や鴻海の敵対的買収の可能性はホンダの利益を押し下げるデメリットです。ですが、個人的には企業の持続的な成長を考えるとむしろメリットの方が大きいのではと考えます。ただし、トランプ政権によるパリ協定脱退やメキシコからの輸入品への大幅関税の追加といった要因がEVそしてドル箱である北米市場に大きな悪影響を与えることは明白です。そのため、EV投資メリットの効果が想定より遅くなるのではという懸念もあります。トランプ氏の動向も今後さらなるポイントになりそうです、、
ではでは
どうなる?USスチール買収の行方②
買収の今後と日本経済への影響
前回のブログでは、「なぜ日本製鉄がUSスチールを買収したいのか」、「なぜトランプ氏に反対されるのか」を中心に解説しました。特にトランプ氏がこの買収を全面的に反対している理由をとして、USスチールの競合他社と深い関係のあるUSW(全米鉄鋼労働者組合)と国民の反対感情が大きく関係していることを述べました。詳しい詳細は下記過去ブログをご覧下さい。
今回は買収におけるポイントと現状、今後の流れについてお話しさせていただきます。
買収のキーポイント
買収が決定されるためにはCFIUSの審査をパスしなければなりません。CFISUSは米国の外国投資委員会であり、外国企業によるアメリカの企業や資産への投資が国家安全保障に与える影響を審査する政府機関です。財務省が主導し、複数の政府機関(国防総省、国務省、商務省など)が参加しています。CFIUSが承認することでUSスチールの買収が成立することになります。
CFIUSの審査内容
CFIUSは買収に対する対応として「承認」「条件付き承認」「非承認」「審査延長」の対応をとります。この中で「非承認」となった場合のみ、大統領の最終判断が必要となります。つまり、大統領がいくら反対してもCFIUSが「承認」および「条件付き承認」と判断すれば買収が成立可能になります。
買収にむけて日本製鉄のやるべきこと
買収を確実に成功させるためにはCFIUSが「承認」「条件付き承認」と判断してもらうことが重要です。大統領は既に反対姿勢を示しており、大統領判断は勝率が低いと考えられます。そのため、買収が国会安全保障の観点でリスクが低いことをCFIUS へ明確に示すことが必要です。また、CFIUSは政府機関で構成されるているため、USW(全米鉄鋼労働者組合)と関わりが深いメンバーも多く在籍しています。つまり、UFWの反対意見が間接的にCFIUS の決定に大きく関与します。そのため、雇用の安定を含めた米国のへの貢献度合いを丁寧に説明する必要があります。
現状
日本製鉄は9月に既に申請していたUSスチールの買収審査を一旦取り下げ再申請し、12月23日にCFIUSの判断が下されることになっています。この間に国家安全保障面での懸念に対応する具体的な案をCFIUSやUSWの幹部へ協議を続けています。例えば、買収した後もUSスチールの米国内の生産を優先し、米国での生産能力の強化に注力し米国経済を活性化させる方針を発表しています。また、米国籍の取締役や経営陣の多くを配置し、米国企業としてのガバナンスを強化することも約束しています。さらには、原材料調達に関しても、米国産の素材を使用することを提案しており、米国製鉄業界への支援の姿勢も示しています。また、今回の買収計画を巡って、石破茂首相が現バイデン大統領に書簡を送り、承認するよう求めており、企業間だけではなく国家レベルの話になっていることが分かっています。
今後の流れ
直近では、現大統領のバイデン大統領やトランプ次期大統領がこの買収計画を防ぐことを表明しています。また、USWの会長も日本製鉄のUSスチールへの設備投資の計画に反対を表明しています。もし、CFIUSが非承認となった場合、大統領が買収を却下する可能性が高いです。却下されると、日本製鉄やUSスチールは、CFIUSや大統領が掲げる国家安全保障リスクの根拠が不十分とし、「買収阻止が不適切であり、恣意的である」と訴訟を起こすことを表明しています。この動きは大統領に対して全面的に戦う姿勢を見せることになります。また、既に石破首相がこの買収に絡んでいることから、日本が米国に対して異議を申し立てている構図になる可能性があります。特に、米国第一主義のトランプ次期大統領が就任すると米国VS日本の構図は日本にとってネガティブに働くことが予想されます。
関税による制裁
大統領、特にトランプ大統領に反対されたまま買収を強引に進めると過度な関税を課される可能性が高まります。以前から、トランプ氏は敵対する対象国の全ての輸入品に対し追加関税が課す政策を提案しています。そのため、特定の鋼材製品だけでなく、日本からの輸入品全てに関税を課すことが予想されます。その結果、米国に多く輸出している「自動車や関連部品」や「精密機器・機械」といった世界をリードする日本の主要産業が軒並みダメージを受けるリスクがあります。つまり、このまま敵対されたままの買収は日本製鉄だけではなく日本の主要産業にも大きな影響を与える結果につながりかねません。
ひとまず、12/23のCFIUS の判断とそれまでの日本製鉄のロビー活動が上手く行くことを願うばかりです。また、12/23付近で日本の輸出関連銘柄の急な株価の変動には注意しなければならなそうです、、
ではでは、、