投資のCOFFEE BREAK

初心者でも分かるように投資についてゆったりとお話します。週3の更新を目指してます。コーヒーブレイクがてらにどうぞ。

米国大統領選挙①~トランプ氏の政策~

トランプ氏の政策とその影響を考える

いよいよ米国大統領選挙が11月5日に実施されます。一大イベントが間近に迫ってきました。この結果は、各国の方針や経済成長の展望を大きく左右します。現在の報道では、どちらが優勢か放送局によって異なっており、次期大統領を予想するのは難しい状況です。そのため、今回はトランプ氏の政策とそれによって生じる影影響を金融政策、雇用と産業、外交、環境対応の観点から解説していきます。

金融政策

減税政策の拡大と金融規制や金利の緩和を掲げています。つまり、個人消費と企業投資を促し流動性の高い経済を目指しています。例えば、米国内で製品を生産する企業に限り、法人税率を15%まで大幅に引き下げる方針を打ち出しています。同様に所得税の大幅な引き下げも検討しており、企業と個人の両方への支援を加速することを計画しています。また、金融規制の緩和や金利の引き下げを支持しており、貸出拡大を狙っています。その結果、企業への融資だけではなく、住宅ローン等の個人融資の拡大が見込まれます。

これらの政策は消費と融資を促し市場の通貨流動性をさらに高める方針です。そのため、当選すれば米国の株高や企業の成長が促進されることを期待できます。一方で、インフレや金融機関の財務状況の悪化が懸念されます。

雇用と産業

製造業の復興と移民就労規制の厳格化を掲げています。製造業回帰を目指し、自動車、鋼鉄、重工業などの雇用を創出、支援していきます。そのため、全輸入品に一律20%、中国からの輸入品やメキシコ国境を越えてくるすべての自動車に最大100%の関税を課すことを宣言しています。関税分が値段に乗った商品は高すぎて売れなくなるため、メイドイン米国の競争力が高まることが予想されます。また、移民の入国制限を強化することで低賃金雇用を減らしアメリカ国民の雇用の維持と賃金上昇を促します。

これらの政策は米国企業の競争力を高め収益を向上させることで雇用の安定や賃金を上昇させる方針です。一方で、関税による対策は他国への反感を与え関税戦争となり米国の輸出品が売れにくくなる危険性もあります。

外交

アメリカ・ファーストを掲げ、アメリカの国益を最優先する外交を目指します。そのため、自由貿易協定の見直し、NATOや国連に対する拠出金の削減を検討しています。同様に日本やNATO加盟国に対して駐留費負担を増額し、米国の防衛費用を年間で数十億ドル削減することを目指しています。また、中国に対しては今まで以上に経済制裁や輸入関税を設け、中国の経済・軍事力の台頭を牽制する方針です。また、中国を初めとする脱ドル化を進める国々には100%の関税を課すことも宣言しています。

これらの政策は米国第一主義であるため、米国自身の軍事力や経済力を向上させる政策です。米国の立場が強くなればなるほど他国は無視や反発ができないため、他国が米国との関係を強めなければいけません。そのため、結果的に国際的な安全保障が確立できると考えることもできます。一方で、他国に圧力をかければ自国に跳ね返り関係性が悪化することも十分に考えられます。そのため、この政策による国際的な安全保障への懸念と米国の国際的な孤立の可能性は拭えきれません。

環境対応

化石燃料推進とパリ協定の脱退を示唆しています。米国経済の成長のため、石油・天然ガス・石炭の生産を奨励しています。エネルギー自給率100%を達成するため、シェールガス生産を1日1,300万バレル以上生産する体制を検討しています。また、パリ協定からの脱退を支持しています。温室効果ガス削減目標を実施しないことで、企業や国の環境対応コストを数十億ドル削減できると試算しています。これらの政策により、米国製造業やエネルギー関連産業の競争力強化に繋がると考えています。

これらの政策は、環境対策のコストの高さや、環境対策の実施によって、自国の製造業やエネルギー産業の国際的な競争力低下を防ぐことが狙いです。そのため、米国の非協力的な行動によって、今後、国際的な環境規制の後ろ倒しや廃止が頻発することが考えられます。脱炭素社会に向けて努力してきた企業への影響は大きくなりそうです

トランプ氏の政策の総括

アメリカを優先的に優遇し、企業や個人の競争力を高めることで経済成長を図ります。消費や投資、融資が活発化し、経済の規模が拡大することが期待されます。一方で、富の集中による格差の拡大や、国際的な孤立が副作用的に生じます。そのため、長期的には社会的不安や消費の低下につながる可能性も意識しなければなりません。

トランプ氏の政策は現在の米国の方向性と真逆であることが分かります。特に、米国経済は世界の中心です。そのため、米大統領選挙の結果によって今後の世界の流れが180°変わる可能性があります。米国の方針がガラリと変わっても問題ないよう、ポートフォリオの管理や再配分が必要となります。特に、トランプ氏の再任は、外交や環境対応に大きな変更を与えることは間違いありません。

 

ではでは