政策金利利上げの必要性
日銀金融政策決定会合によって政策金利の利上げの方向性が金曜日に発表されます。大方、政策金利は据え置きとの見方が強いですが、利上げの可能性は十分ありえると個人的に考えております。日銀は政策金利の利上げを実施したがっています。それは、不景気時の対応を効果的にするためです。不景気時の対応とは「複数回の利下げ」をまず実施することです。それでも厳しい場合は最終手段として「マイナス金利と量的緩和」を行うことです。この順番で行うことが適切な対応となります。
利下げを複数回行い0%付近の政策金利になっても景気が回復しない場合は、最終手段として、マイナス金利や量的緩和を実施します。マイナス金利は金利をマイナスにすることで企業の投資やローンの負担減少による個人の消費をより促します。同様に量的緩和はお金を市場に流出させ消費を促します。ただし、これは最終手段であり明確なデメリットがあります。
マイナス金利のため、銀行が中央銀行に預けている資金に手数料を支払います。さらに、市場金利も低下しているため、利ざやが縮小し収益を圧迫されます。結果として、銀行はリスクの高い融資に対して消極的になり、信用力の低い企業や個人に対して貸し渋りを行う可能性が増えます。つまり、多くの企業や個人が投資や消費を制限されてしまい、より景気を悪くする可能性があります。
また、量的緩和は、すでに大量の流動性が市場に供給されている場合、あまり意味をなしません。現在の日本は量的緩和を実施したため、既にマネタリーベースが今までにないくらい増大しています。そのような状況では、銀行がリスク回避で、貸し渋りが起こりやすくなります。そのため、その資金は実体経済に流れなくなります。
現状の政策金利の値では、景気後退が予期された場合、利下げを複数回出来ずにいきなり最終手段のマイナス金利と量的緩和を実施せざるおえません。しかし、マネタリーベースが既に高水準であることや、マイナス金利の副作用の観点から得策とは言えません。特に、景気後退を察知しての利下げの実施はある一定の期間を有するため、マイナス金利の副作用を助長させます。
これを避けるために日銀は利上げを実施したいと考えています。また、現状インフレ目標である2%を越えていて余裕があること、労働指標が悪くなくPMIが予想以上であることから景気が良いうちに手を打ちたい思惑が分かります。また、少しでも景気後退がよぎれば逆に利上げをすると逆効果になるため、景気の良いタイミングでの実施が重要であり、まさに今がそのタイミングだと考えます。
低金利による円安
米国を初めとする諸外国の政策金利は4%や3%付近の水準であるため、日本の金利は相対的に低い状況です。そのため、ドル買い円売りが増え、近年は1ドル = 150円後半付近の円安が続いています。いきすぎた円安はインフレやスタグフレーションの進行や外国企業による日本企業の買収を促します。上記内容は、日本経済に更なる追い討ちをかけます。一方で、利上げをすることで海外との金利差を狭め、ドル売り円買いを促せます。結果、円高にシフトし上記を抑制することができます。
このまま、政策金利の利上げを行わなければ将来的にくる景気後退に適切な対応できず、日本市場は大暴落を起こす可能性があります。利上げをすると円高にシフトし、株価は下落します。しかし、対局的に考えると利上げは日本の経済を守るために必要な対応なのです。
※ただし、日銀のバランスシートの関係で大幅な利上げは出来ないことも事実です。
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