投資のCOFFEE BREAK

初心者でも分かるように投資についてゆったりとお話します。コーヒーブレイクがてらにどうぞ。

過去から学ぶ~リーマンショック②

リーマンショックの再来はあるのか

前回、リーマンショックについておさらいし「低金利政策の実施とインフレの発生」、「インフレ対応のための大幅な高金利政策」、「各金融機関の保有債券の含み損の大幅増加」 が類似点であることを述べました。下記に詳細を示します。

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今回は最も金融危機を助長させる要因である「各金融機関の保有債券の含み損の大幅増加」 についてお話しします。この含み損は金利時に購入していた債券が現状の高金利によって大幅に価値が低下していることに起因します。金融機関の含み損の大幅増加がリーマンショックの再来にどうつながるのかを説明していきます。

金融機関の含み損の大幅増加の現状

金利が経済を圧迫し続けた結果、米銀の投資有価証券の含み損は2024年第2四半期に5,129億ドルで、この額はリーマンショックにおける金融危機のピーク時の7倍相当です。さらに、11四半期連続で含み損を抱え改善がみられない状況です。含み損は失業者とデフォルト増加によって金融機関の信用不安を引き起こす原因となり、大規模な金融危機を発生させかねません。

失業者の増加

パンデミック中の巣籠もり需要やコロナに伴うIT需要を受けた一部セクターを除くと、インフレの影響は企業の収益率を低下させました。原材料やエネルギー価格の高騰が商品の原価率を悪化、同様に物価高により個人の消費も低迷し利益が得にくい状況でした。収益が減少しているなかで、インフレに見合った賃金を支払うの大きな負担です。時には融資を受け対応する必要がありますが高金利のコスト増加が借り入れを渋ります。その結果、企業は収益性を維持するために大幅な人員削減を行い失業者が大幅増加していきました。

また、コロナ禍や低金利化で急成長したIT・テクノロジーセクターも大幅な人員削減を実施しています。これは、将来的な需要の増加を見越して過剰な人員拡大を行っていましたが、需要の低迷や成長予測の見直しに伴い、余剰人員が発生したためです。現在、米国のIT関連労働者だけでも約15万人が失業しており、各企業はさらに大幅な人員削減を予定されています。

個人と企業のデフォルト増加

失業者が増えるとローンの返済の延滞が増え、最終的にはデフォルトに陥ります。特に、量的緩和や低金利時代は住宅や車が購入しやすかった背景から影響が大きいです。現に、自動車ローン(60日)延滞率は14年以来の最高水準となり、サブプライムローンの延滞率は、金融危機時の水準を上回り、18年ぶりの高水準となっています。このまま就労できなければデフォルトが多発していきます。また、ローンが払えない消費者が増えれば購買能力が低迷し、商品の需要が損なわれます。その結果、ただでさえ収益率低いにも関わらず売上も増えずに赤字になっていきます。赤字企業は高金利の融資は難しく、結果倒産していきます。

金融機関の自己資本比率低下

銀行が融資した企業のデフォルトや失業者による各種ローンの不良債権化によって金融機関は貸してた分が損失として跳ね返ります。その額が多ければ、保有している資産を切り崩して現金化し補填する必要があります。特に金融機関は安全資産である国債をメインに保有しています。しかし、低金利時に購入していた債券は現状の高金利によって大幅に価値が低下していたため、大幅な損切りをしざる終えない状況です。その結果、資産が大幅に減り、負債が増え自己資本比率などの財務状況が悪化していきます。これはまさに、リーマンショック時と同じ状況です。

金融機関の信用不安

金融機関の財務の大幅悪化のニュースは投資家のみならず、消費者や企業にリーマンショックの再来を呼び起こします。債券や株のパニック売りや信用不安による銀行から過剰に預金を引き出す貸し倒れが発生し、現金の流動性が著しく低下し、貸し渋りが発生します。現金を手に入れるため、債券や株を売り現金を手にいれる企業や投資家が増え売り圧力が大幅にかかります。

つまり、このまま金融機関の記録的な保有資産の含み損がある状態で失業者やデフォルトが増え続ければ金融機関の信用不安を発生させ、金融危機を引き起こす恐れがあります。この金融機関の含み損の増大が現在とリーマンショック時の大きな共通点あり、この含み損は資源爆弾です。前回は爆弾のスイッチが住宅バブル崩壊でしたが、今回はインフレがスイッチになるかもしれません。また、今後は失業率やデフォルト率、金融機関の自己資本比率のこまめなチェックが必要と感じています。

 

ではでは